ピリピリとした突き刺さる視線に身をすくめ、私たちは黙って課題を始める、ふりをする。
……でも、良かった。これでちょっと落ち着けたかも。
そのまま三分くらいたって。
不意に、陽平が私をひじでつついてきた。
何?と言うように視線を向けると、陽平がノートを私に差し出している。
何かわからないとこの質問かな、とか思いながらそれを覗きこむと、
『今度の日曜日、空いてる?』
ノートの隅に書かれた、そんな言葉が目に入った。
「日曜日?」
そんな事を聞かれたのは初めてだったので、驚いて思わず声が出てしまった。
慌てて周りを見回すと、小さな声だったので気にも留められてないようだ。
それを確認してから、私は陽平に囁いた。
「空いてるよ。どうして?」