それからの、ほとんど毎日。



私は図書館に行って、午前中は本を読んだり、たまに宿題をやったりした。



四時くらいになると、陽平君が来てくれて、二人で他愛もない話をしながら(もちろん小声で)、同じ教科の宿題をやった。



話しながらやるから、そんなに進まなかったけど。


それでも次第に、陽平君と過ごす時間を、待ち遠しく感じてしまっている私がいた。



お互いの呼び方は、いつの間にか「葉月」、「陽平」と呼び捨てで定着し、毎日陽平と会うのが当たり前の様になりつつあった。


クラスの男子生徒とはあまり話せない私だけど、陽平だけは、楽しく時を過ごすことは出来る。


そう言えば、最初の日にファストフード店に二人でいたのを見られていたらしく、麻奈から自宅に電話がかかってきたことがあった。


わざわざ電話がかかってきたことなんて初めてだったから、一体何が起きたんだってかなり焦りながら電話に出た覚えがある。