いや、別に、勉強しなさそうとか頭悪そうとか思ったわけじゃないけど……ね?
図書館に来て、テキストを広げて勉強している姿が昨日の印象からは全く想像出来なくて、私はちょっと可笑しくなった。
「……あれ?」
その時、ふと目に留まる、彼が広げている数学の問題集。
「あっ、私もこれ持ってます!」
私はそう言いながら、鞄をごそごそとあさって、同じものを取りだし、彼に見せた。
「あっ、本当だ。え、これ学校からもらうやつだよな?」
うん、学校で配られたやつ。
私がこくりと頷くと、その人はすこし目を見開いた。
「え?もしかして、俺ら同い年?」
「え?」
あ、確かに。
学校から配られるの高一用の問題集を使ってるってことは、この人も、高校一年生……?
私が、「高一です」と小声で答えると、その人は嬉しそうに頷いた。
「おー、俺も俺も。やべえ、ちょっと運命感じたわ」
「……え?」
えええ?うっ……運命って……!