「なんだ、もうできてたのかよ。
つまんねーな。」



「どこをどう見たらそうなるんだよ…」





呆れたような顔で


工藤くんに言う小湊くん





「颯太、お前はステージの片付けいってこい。蓮矢と結人は音響な。」



「へいへい。颯太はさっさと行け」





そう言って


颯太くんにベーッと下を出す工藤くん





「ハイ!」





力強く返事をした颯太くんが



私の腕をぎゅっとつかむ




「…⁉」




そして颯太くんに引っ張られるように



私も歩き出す





「はぁーい、麗那ちゃんファイトー」




辻くんの方を振り返ると





何かを見透かしたような


かわいい笑顔を私に向ける






よく分からないけど



辻くんの笑顔に圧倒されて



小さく



けど、しっかりと頷いた