「えー!颯太、言い逃げ⁉情けないなぁ」
ケラケラ笑った声でそう言うのは
辻くん…かな?
「いや…だって、ですね…」
「だって、なんだ?」
落ち着きのあるこの声は
小湊くん
「だ、だって!
歌終わった瞬間、我に返ったといいますか!すごく恥ずかしくなってきたんですよ!
古閑先輩のこと見つめながら歌ったりしちゃいましたし⁉
これで振られたらすっげー恥ずかしいじゃないですか!」
「……」
「……」
「……」
「「「ぶっ!」」」
一瞬沈黙してから
一斉に笑い出す工藤くんたち
あんなかっこよかったのに
本当はすごく不安だったんだね
それを思うと
なんだか私まで笑えてきた
バカにしてるんじゃなくて
そんな颯太くんがすごく愛おしくて
颯太くんの気持ちが嬉しくて