くそっ…!



先輩達なんか知るか!






俺は自分を落ち着けるために


トイレに向かった。





廊下に出ると




「うわぁ…すっげ」




たくさんのライブ待ちの生徒。




改めてMindの人気を思い知る。





「きゃー!颯太くんよ!」


「「「きゃー!」」」



「あ…ありがとうございます」




やっべぇ


余計に緊張するじゃん





声をかけてくれる生徒達の間を


やっと抜けてトイレに着いた。





静かなトイレの空気が


さっきの歓声を思い出させる。





あんなにたくさんの前で歌うのか…



てか蓮矢先輩の歌を楽しみにしてる人も多いだろうし



俺が歌って大丈夫なのかな?





うわー


今さらめっちゃ不安になってきた。




顔をあげると


鏡に映る自分と目があった。





「おっし…」




今さら後戻りはできない。



あそこまで宣言しといて

弱腰なるなんて、カッコ悪すぎだし




大丈夫


先輩達が練習見てくれたんだし。




よし、…よし!




自分を奮い立たせて


俺はトイレを出た。