「せんぱーい!できました!」
「お、早かったな。」
「見せろ、見せろ」
「おーれもっ!」
「お、お願いしまっす!」
先輩達に歌詞を渡す。
やべー緊張。
てか、はずい。
先輩達の目線が俺のノートに集中してる。
やっべー!!!
何言われんだろ
三人ともの視線がノートの下までいき
ゆっくりと俺に視線が集まった。
「ど、どうすか…?」
「……」
「……」
こういうとき
何か言うのは決まって蓮矢先輩だ。
よしっ…何言われてもへこまない!
小さく覚悟を決めて先輩の方を見る
「…いいな、これ」
「えっ⁉」
「だから、いいなつったんだよ。お前の歌詞!なぁ?」
そう言って蓮矢先輩は満足そうな笑顔で2人の先輩に目をやる。
「うん、俺も好きだなー。颯太っぽくて」
「俺も。早く聞いてみたいと思った。」
「ま、ま、まじすか⁉」
「おう、んじゃ練習すっか!」
「はい!」
あ…待てよ
「あの…ドラムは誰がやるんすか?」
「「「は?」」」
「いや…だって俺ドラム叩きながら歌うなんて出来ないし…」
「颯太、お前本当にばか。」
少し
いや、だいぶ呆れた顔で蓮矢先輩がつぶやく。
「気づくのおっそー!蓮矢がドラム練習してんの見てなかったのー?」
爆笑しながら
結人先輩が俺につっこむ。
「…?」
そうだっけ…?
作詞のことで頭がいっぱいで覚えてねー。
「蓮矢、ちゃんとドラムできるから。
颯太は自分の歌の心配しろ。」
「ひ、ひどいっすよ!ハル先輩!」
「そーだぞ。俺が認める歌じゃないと、ステージには立たせねーから。」
「あははー、颯太ファイトー」
こうして
蓮矢先輩による熱血指導が幕を開けた。