「晴樹が嬉しいなら、キスくらいするもーん」




さっきとは打って変わって



へへへ、と笑う。






その行動ひとつひとつが


俺の理性を揺さぶる。





朱莉と一緒にいて何もしないなんて



不可能だろ。






でもさすがに


風邪が治らないのはかわいそうだから




朱莉の左手に


自分の右手を絡めた。





今日は手を繋ぐだけで我慢。





「あ、そうだ!今日ずっと思ってたんだけどなんで工藤くん怒ってたの?」


「あぁ…なんかちょっと元気すぎるファンの子がいるんだ」





俺は朱莉に


野島遥の話をした。