なにすんの、という目で


俺を睨む。




俺が顔をそらすと


今度は朱莉が足を踏んできた。




…思いっきり。




「いって…!」





そんな俺たちを見て


朱莉のお母さんが笑う。




「あらまぁ、ケンカ?」


「違うよ!なんか晴樹が勝手に怒ってるだけー」


「朱莉が置いてくからだろ!」


「早く降りないとママ来るって言ったのは晴樹でしょ?」


「だからって置いてくなよ!」


「まぁまぁ、ママに見られたらダメなようなことでもしてたのかしら?」



ふふふ、と笑う顔は

朱莉とそっくりだ。