「どうした?大丈夫、俺ここにいるだろ?」
「ぅん…」
「ごめん、ごめん。飯作ってた。もう離れないから、な?」
「…うん。やったー!晴樹の作ったご飯⁉」
そう言って笑うけど
無理してることくらいバレバレ。
朱莉のお父さんは
朱莉が小さい時に朱莉と奥さんを置いて
出て行ったらしい。
だから、
朱莉は時々こういうことを言い出す。
風邪で弱ってるから余計に心配になったんだろう。
この話を朱莉が言ってくれたとき
『めんどくさくない?』
朱莉は泣きそうな顔でそう言った。
めんどくさい訳がない。
俺は朱莉ためなら
何でもできる。
本当に、そう思うから。