「先輩!さっきはすいませんでした!」
「お、おう」
ん?
なんか結人先輩とハル先輩、にやにやを我慢してるっぽいんだけど
蓮矢先輩、真っ赤だし
「どーかしたんすか?」
「い、いや…なんでもねぇ
じゃあ練習再開すんぞ」
「あ、はい!」
「颯太」
「はい?」
ハル先輩に手招きされ
先輩を振り向くと
「蓮矢、言い過ぎたって反省してたから許してやってな」
「あ…りょうかいっす!」
「ちょ、お前颯太に何言った!てか、か、歌詞!歌詞どうなったんだよ!」
蓮矢先輩、焦ってるし
「あーもうちょい待って」
「あ、あの!その新曲なんすけど…」
「どした?」
「俺、作詞してもいいっすか…!」
突然の俺の発言に
キョトンとする先輩達。
「…どういうことだ?」
また古閑先輩の話題出したら
怒られっかな…?
いや!もう知らん!
「俺…次のライブで古閑先輩に告白したいんです!」
「うわーお、思いきったねー…」
驚き気味な結人先輩。
「……」
真剣な眼差しで俺を見る蓮矢先輩。
「…それで?」
落ち着いてる様だけど
多分1番驚いてるのはハル先輩。
「でも、もう好きとは言っちゃったんで驚かせたいなぁ…って思って。」
…
誰も何も発しない。
やっぱり、ダメ…だよな。
「もう…い「やってみろ。」
「え?」
もう…いいです
って、言おうとしたら
蓮矢先輩の低い声に遮られた。
「歌っつーのは、想いを伝えるために歌うんだろ?歌で告白なんて最高じゃねーか。な?」
「あ、あぁ…」
「さっすが蓮矢、あははー」
「い、いいんですか…?」
「おう。ま、へったくそだったら即刻中止な。」
「ハルよりかっこいい歌詞考えなきゃだねー」
でも
ハル先輩は?
そう思ってハル先輩に視線を移すと
「楽しみにしとく」
そう言って笑ってくれた。
「ありがとうごさいます!」
こうして
ライブに向けての過酷な日々が始まった。