「もーお……毎日ミンミンジージーうるっさいなあ……」


8畳の畳の部屋で、大の字で寝転がりながら行き場のない愚痴を天井に向かって吐いた。

夏休みに入って1週間。
部活に入ってる訳でもなく塾に通っている訳でもなく、特に予定なんて毎日ある訳でもなく、毎日暇だ暇だと言ってはぐうたらな毎日を送っている。

全く毎日ダラダラして、とお母さんは言うけれど、だからと言ってドラマとか漫画で見るような塾に行きなさい!なんてのもないから
それに甘えてるあたしはこうして学生という時間をのんびりと過ごしている。

塾に行ったからって確実に大学に行けるわけじゃないし。
なーんて、ただの言い訳にしかなんないんだろうけど。


よっこいしょ、と重たい腰を持ち上げる。

2階の自分の部屋に行くのも体が重い。
単純にあたしがめんどくさがりってこともあるけど、尋常じゃない夏の暑さのせいでもあるのは否めない。

部屋にあった自分のサマンサの財布を手に取り、ショーパンのポッケにはスマホが入っていることを確認する。

さっきのぼったばかりの階段をのそのそと降りて、「おかあさーん」と大きな声で台所に向かって叫んだ。