そう。
真ちゃんは、居るはずだ。
哲が、あんなに頑なに足止めしていたもの。
出掛ける時には開け放してあった、部屋を繋ぐドアに、シーツが掛かってるなんて、おかしい。
たまたま私のシーツが可愛い色で良かったね、真ちゃん?
哲側には、お布団カバーを貼ったのかな。
私のベッドが貧相になっちゃってるじゃないか。
しかも微妙に不自然だよ。
「……連絡あったら、ちゃんと伝えますから」
ね?
逃げる男なんか…追いつめたって…カッコ悪いだけだよ。
せっかく優菜さん、綺麗なんだから。
ね?
真ちゃんには、ね。
ちゃんと信じてくれて、ちゃんと笑ってくれて。
それからちゃんと、想い合える人と、一緒に居てほしい。
それは私じゃないし…
多分、あなたでも、ない。