私は。
黙ってしまった優菜さんを、座らせた。

まず間違いなく年上……もしかしたらひと回りくらい年上な、ひと。


大きな胸を強調するような、服。

もしかしたら、そんな気はなくて、目立っちゃうだけかも知れないけれど。



「紅茶とコーヒー、どっちがいいですか?」

「…………いらないわ」

「じゃあコーヒーにします」

「…………」



すっかり消沈してしまった彼女に、同情した。

でも、彼女は。
私が原因だと、思っているから。

同情している、なんて、言えない。




他にいい人がいますよ、とか。

これ以上は、ストーカーですよ、とか。


何も言わないまま私は。

隣の部屋で、いきなりおばあちゃんと鉢合わせただろう真ちゃんを、恨んだ。