「哲、エレンさんお願い」
私は。
真ちゃんを好きだから。
友情が成り立たないと言うならば、どんな情だって構わない。
私は真ちゃんに好かれているかも知れないけれど。
もしかしたら、恋に近い思いなのかも知れないけれど。
「どうぞ」
私は私の部屋のドアを開けて、彼女だけを押し込めるように、後ろ手に、ドアを閉めた。
「散らかってるけど」
「………」
部屋中を見渡す、睨みつけるような彼女の視線は。
真ちゃんを、獲物か何かだと思っているかのような、強いもので。
狭山久志のそれに、ひどく似ていると、思った。
「こっち、お風呂」
あ、やだ、哲のぱんつが。
洗濯機のそばに置いたままだったカゴの、一番上にぺろりと乗っている下着を奥に押し込みながら。
バスルームを開け放った。