そして。
……そして。
「な…に、ど…したの?」
「……………」
思い切り眉間にシワを寄せたまま立っている哲と。
思い切り興奮して、哲に掴みかかる、女のひと。
「…………優菜、さん?」
キーボードしかないけれど、良かったらウチに来ませんか、と連れてきちゃったエレンさんの目の前で。
私は、真ちゃんの彼女をなんとかしなきゃならない、んだね?
あれはどうしたの?
と、無邪気にも首を傾げる老婦人に…聞かせたく…ないなぁ。
「…部屋見せてくれないって事は、真也、いるんでしょう!?」
ぴく、とエレンさんの肩が、震えた。
「…いねぇっての」
…あ、哲……怒ってる。
相当…怒ってる。
やだ…ちょっとやめてよ。
不機嫌な哲、怖いんだから…。
怒らせないでよ。