ねぇ、哲。
私、言わなかったよ。
真ちゃんを連れて行かないで、って、言えなかった、よ。
だって。
だって…エレンさんが。
蜜はとても可愛いし、大好きなんだけど、と前置きをしてから。
いつまでも報われない恋をしていても、寂しく年をとるだけ。
あの子は、違うと笑うけれど。
そばにいたら、つらいと思わない?
なんて。
まるで…まるで。
真ちゃんが、私に恋をしているかのような言い方を…するもんだから………。
そんなんじゃない、って私…。
言えなかった、んだ…。
男女間に…成り立つ友情って…本当にないの?
真ちゃんは……私を、どう見てるの?
ねぇ、哲。
私、真ちゃんのこと、なんにも知らないよ…。