しばらく走ると、小さなアジアンテイストのレストランがあって。


そこで昼食を済ませた。


レストランの道路を挟んで向かいが海水浴場になっている。


「ちょっと砂浜に降りてみようか?」

『うん。』


海水浴場の駐車場に車を停めて、私達は砂浜を歩く事にした。


「まだちょっと肌寒いけど、やっぱ気持ちいいね。」

『うん。海なんて、来るの何年振りだろう。なんか、楽しい。』

「良かった、楽しんでくれて。」


母と2人きりの生活で、海に来た事なんてなかった。


イトコ家族に連れてってもらったのだって、小学生の時だったし。


海なんて名前なのに、私は海とは関わりがない人生だったんだね。