あっという間に着いてしまって、でもまだ彼と話がしたい。


そんな気持ちを押さえて、別々のホームへと向かう。


ブーブーブー


カバンに入れていたケータイのバイブが鳴る。


受信 藤沢くん

[明日の仕事終わりに食事でも行きませんか?]


彼から初めてのメール。


向かいのホームにはケータイを持ってこっちを見ている彼の姿が。


送信

[はい、行きます。]


ちょうどその時、彼の乗る電車がホームに入ってきて。


彼の表情は見えなかったけど、私は一人笑顔で電車を見送った。


疲れていたはずなのに、彼のお陰ですっかり元気になる。