1度は、子供を授かっていた事を話さないままでいようかとも思った。


でも、ほんのわずかでも私達のもとにきてくれた命だから、私だけじゃなく空にも知ってほしかった。


『私は空と兄妹だって知った時から子供は諦めてたの。産まれてくる事は出来なかったけど私達の子供には代わりないから、絶対忘れないでいようね。』

「もちろんだよ。」


ただただ抱き合って私達は涙を流す。


この先も子供は望んでいない。


遠いところに行ってしまったあの子だけが私達の子供。