「海、俺今日はこっちに泊まる事にしたから。」

『うん。お父さんの容態は?だいぶ悪いの?』

「手術するらしい。」

『手術?』

「うん、ガンだって。」

『ガン…?』


予想だにしない言葉に私は一瞬固まってしまった。


「大丈夫だよ。明日は帰るから、今日は1人にしてごめんね。」

『ううん、そんな事は気にしなくていいよ。気をつけて帰ってきてね。』


電話を切ると不安が押し寄せてくる。


父がガンだったなんて…。


一応は私の父でもあるわけで、もし何かあったらって考えたら。


私は不安を抱えたまま一夜を明かした。