リビングに入ると美和ちゃんがなにやら棚の上の物を取ろうとしていた。


「美和、危ないって。俺がするから。こけてお腹の子に何かあったらどうするんだよ。」

「誠、ずっとこんなかんじなんだよ。」


美和ちゃんは少し呆れている感じだったけど、それでも嬉しそうだった。


私はそんな2人をただ黙って見ているしかなかった。


夕方には帰宅し、ご飯も食べ終わってくつろいでいると、


「海の気持ちはわかってるから。女として生まれてきたなら母親になりたいって誰もが思うだろうし。ごめんな、俺と出会ったばかりに諦めさせてしまって。」