もし私と空が兄妹でなければ、いつかは結婚して子供が出来て。


この腕で抱きしめる事が出来たのだろう。


でも、私達にはそれが出来ない。


頭ではわかっているのに、心が欲張ってしまう。


その週の日曜日、誠くんと美和ちゃんにお祝いを言う為、父や母が居る街に来た。


2人が住んでるマンションに行くだけなので、誰かに見られる事はないと思う。


ピンポーン


インターホンを鳴らすと誠くんが出てきた。


「おー、いらっしゃい。上がって。」

「お邪魔します。」

『お邪魔します。』