「長倉、お疲れ。」


みんなが退社した後にデスク回りを片付けていると、岩谷さんがコーヒーをいれてきてくれた。


『お疲れ様です。いただきます。』


コーヒーを飲みながらも紙袋に荷物を詰め込む。


「企画の奴に聞いたんだけど、お前の彼氏も辞めるんだって?」

『…はい。』

「何があったのかは知らないけど、お前は幸せになるんだよな?」

『はい。』

「じゃあ、頑張れよ。」


ポンッと私の頭に手を置き、岩谷さんは帰っていった。