『とりあえず、ご飯の準備するね。』


そう言い立ち上がろうとすると、空がいきなり私の手を掴み自分に引き寄せ後ろから私を抱きしめて、


「俺から離れていかないで。」


すごく寂しそうな声を出した。


『離れるわけないじゃん。私は空が居てくれなきゃヤダもん。』

「ありがとう。」


一緒に居る事を選んだけれど、今しか見えていない私達は、まだ暗闇に迷い込んだままだったのかもしれない…。



あの一件以来、父や母は代わる代わる家に来ては私達を説得しようとしていた。


何を言われてもずっと耐えて、私達は自分達の意思を通していた。


けれど、次第に笑顔が少なくなっていく私達。