バコッ


おもいっきり空の左頬に父の拳が当たる。


ドサッと後ろに倒れる空の上に父が馬乗りになった。


『ちょっと、やめてよ。』


私と母が2人がかりで止めに入るが、父は


「ふざけんな。お前達は兄妹なんだって何度も言ってるじゃないか。」


バコッ


またしても父の拳が空の頬をとらえる。


「うるせー。兄妹だからなんだよ。愛してるんだからいいじゃねーかよ。」


空も負けじと父の腕を掴み、取っ組み合う。


『いい加減にしてよ。』


私は渾身の力を振り絞り、父を引っ張った。


母はもうどうする事も出来なくただ泣いていた。