「この写真、いつも持ち歩いてるんだ。」


そう言って父が出した写真は、母に見せられた写真と同じだった。


『これ、母も同じの持ち歩いてました。』

「そうか。俺の宝物なんだ。」


父は大事そうにその写真を眺めていた。


そして、


「空から話は聞いたけど、同じ会社で付き合ってるんだって?」

『はい。』


やっぱりこの話になった。


「でもお前達は血が繋がってる。」

『わかってます。』

「いつまでもずるずる付き合っていられないんだ。」

『でも、私達は愛し合っているんです。』

「愛し合ってはいけないんだよ。」