朝食を済ませて、久しぶりにあの誕生日の時に行った海に行く事にした。


あの海にはあれから何度か行ったりしている。


それくらい私のお気に入りの場所になっていた。


家を出る時は雪がチラチラ降っていたけど、着く頃にはすっかり晴れていて。


青空が広がり、冬の海にしては穏やかな波だった。


『やっぱり寒いね。けど、何度来てもここは綺麗。』

「うん、綺麗だよね。海、あっためてあげる。」


そう言って空は自分が来ている上着の中に私を入れてくれた。


後ろから空に包まれてとってもあたたかい。


空と海が繋がる水平線は今日もはっきりと見えている。


この空と海が繋がっているように、私達も永遠に離れる事がないと信じていたのに。


これから私達は暗闇に迷い込む―――。