はぁ、私も早く帰りたかったなぁ。


自分のデスクでため息をつくと、


「海ー、お待たせ。行こう!」


バッチリ化粧直しをした麻美が、スカートをヒラヒラさせながら歩いて来る。


『気合い入ってるね。』


口元を引き攣らせながら、私は麻美の全身を眺めた。


髪も丁寧に巻いているし、上は白のアンサンブルに下は膝より少し短めのピンク色のスカート。


いかにも女の子っていう恰好。


それに比べて私は黒のパンツスーツ。


うん、私はこれでいいの。


だって、男目当てで行くわけじゃないんだから。