すん、と匂う千春の甘い匂い。
 シャンプーか何かだと思うけど。


 俺の理性を狂わせる、凶器。



 ヤバイ。

 俺、
 
 どうにかなりそう。



「ダメだ」



 千春が


 他の男のとこに行くのは



 もう


 見てるだけなのは


 嫌なんだ...!!!!



「な、何がだめなの??ダメだけじゃ
 わかんないよ...」


「...すっ―――」



 キーンコーンカーンコーン♪♪
“学内にいる生徒は速やかに下校しま
 しょう♪♪”


 チャイムと放送の声に
 俺の声は思いはあっけなく消された。



「??す??」


「...いや、なんでもない」



 
 “好きだ”


 あー...くそっ。
 なんでこんな時に限って言葉に出ない
 んだ俺は!!

 あーくそっ...。