「...ごめんね」



 それは、どういう意味のごめん?
 別れるってことのごめん?

 それとも―――....。



 一度は戸惑うものの、ゆっくりと
 千春の手が俺の髪を優しく撫でる。


 あ、意外と気持ちいい。
 


 千春に撫でられると、気分よくて
 もう何もかもどうでもよくなる。


 
 だけどそんな気分もすぐに冷める。


「私...西原先生に告白されちゃった」



「...それ、俺に忠告してる??」


 俺の頭を撫でる千春の腕をぱしっと
 とって寝ていた頭を起こした。


「お、起きてたのっ!!?」


「まあそうだね♪で?、それを俺に話して
 何なの?俺と別れたいの?」



 ズキンと心が痛む。

 自分で言ってるはずなのに、おかしいな。




「ち、違っ――――」


 無意識に、千春を抱き寄せる。
 片手で千春の腰にまわして
 強く、守るようにして抱きしめる。



 あ、


 俺


 自分で思ってたより


 千春のこと、ずっと好きだったんだ。