私は『ヤツ』こと加藤稚早【カトウチハヤ】と言うこの幼馴染みが嫌い。


「嫌いなの」


アホそうに眠って居る稚早を眺めながら、声に出して小さく呟いた。


丁度そのタイミングで終業のベルが鳴った。


教室中が、生気を取り戻す。稚早はまだ起きない。


今日はこの時間で終りだったので、後は帰るだけだ。

HRがも終り、クラスにいた生徒達も次々に教室を後にする。


稚早は眠り続けている。


何時もなら放置する所だが、運悪く今日は日直の日だ。鍵を閉めなければいけない。


取り敢えず、起こそうと思い、ぱこっと学級日誌で叩いてみた。


「・・・」


幾らぱこぱこ叩いても、起きる気配は微塵もない。


諦めた私は、先に日誌を片付ける事にした。