久し振りだな。


稚早と向かい合ってカレーを食べながら、ぼんやりとそんな事を思った。


稚早と笑い合うのも

言い争いをするのも

一緒にご飯を食べるのも


たった一年振りなのに、何十年振りにも感じる。


私達は、あの頃と変わらない様な他愛ない会話をする。


けれど、その全てが変わり果てていることに、稚早は気付いていないだろう。


ならば、いつまでも


気付いていないまま、知らないままでいて?


そう祈りながら、残り僅かになった、カレーを口に運んだ。