私は、稚早の事を見上げることも出来ずにいた。




「何でって、流れ?」




無言の後に、ぼそりと言った。



「なにそれ」



「加藤くんも私のこと浅谷って呼ぶし、自然な流れなんだよ」



「意味分かんねぇ。その流れ作ったのは誰だよ?」



冷たい稚早の声が直ぐ耳元で聞こえる。


知ってる。誰が流れを作ったのかぐらい。


知ってるよ、稚早。




だって、私なんだから。
知らない筈が無いでしょ?