チュンチュンー… 



「ん…」



ソファーから起き上がると、すでにカーテンがあいていて、台所から何やら良い香りがー−… 






「あっ…起こしちゃいました!?」



「へ…?」



オレは思わず間抜けな声を出してしまった…。 



だって… 



さっきの声って、 


昨日の女の子のだよな!? 



普通は少しずつ… 


ホントにちょっとずつ 


拾ってやったご主人サマに心を開いてくもんなんじゃねえの!? 



驚いて固まったままのオレを尻目に少女は淡々と話ていったー−… 




「今朝の朝食は和ですよ〜あ、冷蔵庫にあったもの適当に使っちゃいました♪」


そう言って舌をペロッと出す少女ー−… 



「はぁ、」


俺は正直言って、さっきから放心状態…。 



だって… 



目の前に並んだ食事が… 



「眩しすぎる!!」




「え?」


「いやさ、普通の女子高生の朝飯って、コンビニでパン買って食うとかじゃねえの!?」



「あーそういうのは友達がやってますね。」



は? 



友達!? 



アンタも女子高生だろっ! 


「うちは実家が旅館なんで、毎日食事だけはちゃんととれって言われてて…。」



「だから…これ?」


少女が作った料理を指さすとコクンと頷いた… 



可愛いかも…。 




「あ、お味噌汁!冷めちゃいますよ。」



「あーわりい。」


俺は椅子に腰掛けて少女と一緒に飯を食った。 




「うまっ!」



あろうことか、本場の料亭みたいな味…。 



「すげー。」



これじゃあ毎朝コーヒーだけで済ませてた俺がアホみたいじゃねーかよ。 




俺は軽くため息をつきながら飯を掻き込んだ…。