夕方の事だった。
俺は雨の中をコンビニで買った透明な傘をさし、歩いていた。
紫陽花の木々が俺を囲み込むようにして雨に打たれているー−…
そんな景色に少し苛立ちながら俺はふいに横を見る。
−−ーすると、
そこには見知らぬ少女の姿があった。
俺の歩いている道の隣には公園がある−ー
その片隅に少女の姿はあった。
「どうしたの?」
そう聞いてもー−
「…。」
まるで操り人形のように動きを見せない少女ー−
「ほら、俺の後ついてきな?」
そんな少女に見兼ねて言ったー−…
まさか、ホントについてくるなんて思ってもなかったけど…。