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「…おはようございます、椿お嬢様」

「……」


外からは、鳥の鳴き声。

目の前に奏哉。


「…もう朝?」

「はい。…あの、朝食はどうしますか?」

「いらない」


即答すると、奏哉は一旦、椿から離れる。そんな奏哉を一瞥し、椿はため息をついた。

…すると。


「これ、お嬢様宛ですよ」


手紙らしきものが、椿に手渡される。


「窓から、急にこれが風で飛んできたんです」

「……?」


疑問符を浮かべながら、その色褪せた縦長の手紙を見つめた。