「千尋からいろいろ鈴木さんのこと聞くと
千尋が大好きな鈴木さんのこと 私も好きになって……
みんなの前で話かけたりしないから
友達になってもらっていい?」


千尋も こうやって話す花を見ながら
可愛いとか愛しいとか思っちゃうんだろうな。


数か月前まで前髪で重く隠れていた目が
まさかこんなに大きくて可愛いとは思いもしなかった。



大きな黒い瞳は 玄関の照明でキラキラ輝いている。


友達になんてなれない


だけどここでそう言ってしまうわけにもいかず


「うん」と言った。


「ほんと!?」

嬉しそうな表情がまた悔しいけど とても可愛かった。


「別にいいけど……」


「ありがとう!!!!」


消え入りそうな声が元気な声に変わった。