「今日ありがとな。何か 花ちゃんひどい目にあったんだって?」

めずらしく食事当番の千尋が 食事を作ってアタシを
椅子に座らせ 麦茶をコップに注いだ。

「千尋が悪いんだよ。お姫様抱っことか告白とか
やっかみやからかいで 石川 花 気の毒すぎるよ」

嫉妬を偽善者風に言い変える。


でも もう諦めてほしいってそれが本音。


「そうだな。嫌われちゃったし……」

「そう言えば 千尋が近づいて来たらアタシにしがみついた。
抱っこした時 何かしたの?」


頭をかいて 千尋が落ち着きを失った。

まさか……何をしたんだろ……

今度はアタシが手に汗をかいている……


「キョンタにしか言えないけどさ……いや……
俺のこと軽蔑するなよ。てか 花ちゃんには軽蔑された……」


「軽蔑ってあんたいったい何したの?」

声が震えそうなのを必死に隠そうと笑いながら言った。

「何って……可愛いって言った……」

「誰が?」

「花ちゃんだろ?」

悪いけど 千尋の美的感覚わかんないんだけど……


「千尋のタイプ正直謎・・・・・」

思わず呟いた。