アタシは 花の前に立った。

「先生に言うよ。これ以上 石川さんからかったら!!」

「何よこの女……おぼえとけよ!!」


バカが数人慌てて立ち去った。


罰の悪くなった女子も早足で廊下をかけて行く。


「どうしたのよ?」千尋の声

「石川が からかわれてたの あの女子が回し蹴り入れた」

男子の声がした。


「回し蹴り?」

「お めっちゃかっこよかったぞ」


千尋が
「大丈夫か」と近づいてきた。

花が アタシの背中にくっついてきた。

「ひどいことされたから 許せなかったの」

「マジで?」

アタシはしがみついた 花の方を見て

「大丈夫だった?」と言った。

「ありがと………」消えそうな小さな声


千尋が何か言いかけようとすると 花は ビクっとした。


哀しそうな顔の千尋・・・・・・
もっともっと冷たくしていいよ 石川 花
千尋がちゃんとあきらめられるように……とことん……

チャイムが鳴った。


アタシは石川 花 の背中を押して教室に押し込んだ。