千尋のカッコよさに 盛り上がる女子たちは
他のクラスの子たちにも 話を広めて行って

やり玉にあがったのは 地味子な 石川 花 だった。


「マジ?」

「お姫様だっこだって」

「地味子には一生かけても叶わない夢が
叶ってよかったじゃんね~」


石川 花 は足をひきずりながら その横を歩いて行った。


「元中でも からかわれてたらしいよ~
最初おもしろがった男子が 告白したら 顔真っ赤にして
ありがとうって答えたんだって」

「何 その気になったの?かわいそ~~~」

「みんなで爆笑したって~それからおもしろがって
また男子が告白したら何も答えなくなったんだって」

「そりゃそうでしょ~本気でとるほうがおかしいもん」

そんな話を聞きながら ひどい話だと腹が立ってきた。


それでなくても目立つ 千尋の行動が うらやましかったのか

アタシだってそうだけど……
女子の陰湿さが 石川 花 目がけて飛んでくる。


「鈴木 千尋 もからかったんでしょ?」

「でしょ~」


いや 千尋をその辺の バカと一緒にするなって……


複雑だけどね……
千尋は そんな男じゃないもんね…悔しいけど……


本気だったらしいよ