どんくさ・・・・・

「はい」さらに前髪が顔を隠す。


立ち上がろうとして 石川 花は 足を抑えた。


「痛めたのか?」

「大丈夫です……」小さい声でそう言った。


「よし じゃあ集合~」
先生の声にみんなが移動していった。
アタシも走って列に戻る。


先生の話を聞いてると

「先生!!!」声がした。


千尋?


「石川さん 足痛めたみたいです。
俺 保健室に運びますから」

そう言うと 軽々と 石川 花 をお姫さまだっこした。


一瞬重い前髪がふわ~っと動いて
驚いている顔の 石川 花 が見えた。


ん?可愛い?

「ちゃんと つかまってろよ」
千尋はそう言うと歩き出した。


ね?千尋 めっちゃカッコイイんだけど!!
女子が騒ぎ出した。


どんくさくて ダサい 石川 花 を抱きかかえて
千尋は体育館を出て行った。


「まさかさ 鈴木 千尋 本気?」

睦の言葉に思わず

「まさかでしょ」と強く言い返した。