男子が マットを片付けに 近づいてきた。
その中に 千尋をすぐに見つけた。


あんたの好きな子 全然さえないけど?
やる気もうせてしまうくらい……


「石川 早く跳ぶぞ。成績つけるから・・・・」

石川 花は跳び箱に座ることもできない。


走って行っては 立ち止ってしまう。

先の二人はなんとか跳び箱ギリギリにお尻をぶつけながら
無事に跳んだ。


うれしそうに こっちを見て手を振ってくれたから
アタシも振りかえした。


「石川 跳び箱も0つけるぞ」容赦ない言葉が飛ぶ。


千尋がチラッとこっちを見たけど アタシとは目が合わず


「石川!!!」痺れをきらして先生が怒鳴った。


「ここだよ ここに手つけて思いっきり飛んで……」


アタシは千尋の手前 いい人ぶって
石川 花 に アドバイスなんかしてみる。



石川 花が 走り出した。
そして


ゴロゴロゴロ 片手が置けずにバランスを崩して
跳び箱から転がり落ちた。

あまりのどんくささに みんなが失笑
先生も呆気にとられていたけど 
「大丈夫か?」と慌てて声をかけに行った。