「ちょ、大地君…足早すぎでしょ」
「え…あ~ごめん」
サッカー部の大地君についていけるほどの体力と脚力を私は持ち合わせていない。
大地君の足が止まって、やっと口が開けた。
「っていうかなんで…図書室に?」
「そりゃ、無人だからだよ」
…まぁ確かに。
確か今日は午後から円城寺先生出張って言ってたけど。
円城寺先生がいないんだから、図書室が開いてるわけがない。
「由佳ちゃん、こっち来て?」
「え?図書室入れないんだから…?!」
衝撃が走った。
大地君が図書室の窓から侵入していた。
まもなく、ガチャリという音とともに図書室後方のドアが開いた。
「…なんで?!」
「とりあえず、図書室の中においで。先生たちが通ったら大変だから」
「え、あ、はい…」