「住所も書いたし、後は写真を封筒に入れて投函するだけか!」


 明良君の分…っと。

 大地の分の写真入れたら終わり…。



「・・・・」



 あれから一ヶ月たったけど…

 確かにいろいろ変わって、でも変わらないものもあって。



「なんだかなぁ~」



 ふとテーブルの上に乗っている一冊の本を眺めた。

 それは、始まりの物語。


 卒業式の日、円城寺先生が卒業祝いとして私にくれた。

 まるですべてを知っているような笑顔とともに。


 表紙を開いたところにまだ挟めてるあの日の紙。

 大切な大切な…大地からの手紙。


「あ、そうだ」