ご主人はそう言って宗吾に優しい声色で、

怒っている。

宗吾は、

「サプライズするから楽しいんじゃないですか」

そう言って、ニコッと笑った。

・・・

二人に仲の良さを見せつけられたみたいで、

ちょっと胸が苦しくなる。

・・・

この二人の関係を気にするのは、

私の器の小さいせいだろうか?

それとも、みんな私みたいな気持になってくれるかな。

・・・

「この淡いピンクの・・・

花の装飾された着物がいい・・・」

一着の着物を手に取った宗吾は、

ご主人にそう言った。

すると、ご主人も二度頷いた。

・・・

「彼女さん、お名前は?」

「…え、あの、亜紀と言います」


「亜紀さん、いいお名前で」

「あ、ありがとうございます」

「私もその着物が一番亜紀さんに

似合ってると思ってたんです・・・・

肌も白いし、…じゃあ早速」


「ああ、頼みます」