「宗吾さん」

「ん、なんだ?」


「着物をどうするんですか?」

「そんなの決まってるじゃないか。

今から着るんだよ」


「?!」

宗吾の言葉に驚き目を見開く。

・・・

それと同時に、ご主人が奥から着物を持って

現れた。

・・・

「とても可愛らしいお嬢さんですから、

この辺なんか、お似合いになるんじゃ?」

3着の着物を目の前に置かれ、

どうしていいかわからず、困惑する。

それを見たご主人は、優しく微笑む。

・・・

「もしかして、何も聞かされず、

ここにいらしたんじゃおまへん?」

ご主人の言葉に、何度も頷いて見せると、

クスクスと笑われてしまった。

・・・

私の顔はみるみるあ赤くなる。

「宗吾さんらしいと言えば、らしいですけど、

ちゃんと言ってあげないと、困ってしまいまっしゃろ?」