「さぁ、行こう」

優しく微笑むと、

宗吾は私の手を優しく握りしめてくれて、

思わず、顔が緩んだ。

・・・

一体どこへ連れて行かれるのだろう?

期待と、ちょっぴりの不安を抱え、

着いたところは・・・

古風な、

昔からあるであろう老舗の呉服屋さんだった。

「ここに、何しに?」

「まぁ、いいから入って」

何を言うでもなく、私を中へと引っ張りこんだ宗吾。

・・・

「いらっしゃいまし・・・あら、

白鳥さんやおまへんか」

凄く美人なお店のご主人・・・


「お久しぶりです。前に言ってた、

彼女を連れて来たんですが、着物の方は?」


・・・エ、着物?!


「ええ、ええ。もちろん準備できてます。

さ、さ、中へお入りやす」

近くの座敷に招き入れたご主人は、

奥の部屋へと消えて行った。