「プロポーズなんて初めてなんだ。

だから・・・その・・・」

そう言って、今までに見せた事のない顔をした宗吾。

・・・

どうやら照れ隠しらしい。

宗吾は今まで本気の恋愛など、したことがない。

いや、するつもりなどなかった。

社長と言う地位、

どうせ、政略結婚するのが落ちだろう。

そう考えていた宗吾にとって、

本当に心から愛した女を、

大事に、守ってやりたいと思った女を、

目の前にすると、少し戸惑う。

亜紀は、自分が想い続けた女の子でもあったのだから。

尚更だ。


・・・

「宗吾さん」

「・・・ん?」


「私を可愛いお嫁さんにしてくださいね?」

「・・・もちろんだ」

お互いの目を見合わせ、

微笑みあった。

そして誓うように、そっと唇を重ねた。