「…バカだな。

亜紀に似合うと思ったから、

それを買ったんだ・・・

この指輪の意味、分かるか?」



宗吾の言葉に、そっと首を振る。


「これはオレの愛の証だ。

婚約の意味を込めて・・・」


「…婚約?!」


「そう、どんな男からも、

亜紀を守る為の魔除けにもなるしな?」

そう言って宗吾はクスッと笑った。

・・

「婚約・・・してくれるんですか?」

いつしか私の瞳は涙で潤み、

宗吾の顔が涙で歪んでいた。

・・・

「亜紀が嫌じゃないなら・・・

オレの傍にいてくれると言うなら」


「…いやだなんて思いません。

前にも言ったじゃないですか?

宗吾さんの傍にいるって・・・

私は貴方を、愛してます・・・」

そう言って微笑んだ私。

目一杯溜まった涙は、微笑んだと同時に、

ポトリと落ちた。